ベンチャー企業の実態

2014年09月13日 16:02

転職先を選ぶにあたり、ネームバリューがある大企業であれば、インターネットで検索すれば、多少は情報が得られます。
しかし、外資系企業やベンチャー企業はなかなか事情を知ることは難しいと思います。
そこで、私が経験した企業について、書いてみたいと思います。

私が経験した9社の中で、最も強烈なインパクトがあったのは、8社目のベンチャー企業でした。
従業員は数人で、部署は3つありました。
面接は社長と会長と3人で行われ、以下のような話がありました。

--あなたに1つの部署の業務を1人で回して欲しい
--あなたがやりたいことをやって欲しい
--ゆくゆくはあなたに社長になって欲しい

最初は信じられませんでした。
そのため、一度はお断りをして別の会社へ転職したものの、会長から定期的に連絡が入り、1つ1つ事細かに説明されるうちに、社長を身近に感じるようになってきました。
また、チャレンジしたいと思うようになりました。

私が勤めたベンチャー企業の特徴は、以下の通りです。

1) 役職が付いた人との接点が多い

人数が少ないため、自社、他社共に、会長、社長等、役職の方と仕事をする機会が多くなります。
力がまだ充分ついていないベンチャーだからこそ、ベンチャー同士が力を合わせる必要があるのです。
また、規模は小さくとも起業を経験した人達であるため、過酷な経営の実態を生で聞けることは、メリットだと考えます。
私が聞いた社長達の起業した理由は「リストラにあったからやむを得ず」であったり「たまたま会社をもらった」等、機会の巡り合わせが多かったため、起業家は野心家だと思っていた私には、現実を知る良い経験ができました。
また、役職を付けることも容易で、私も退職前は、部長の肩書きを頂いていました。
肩書きとは、一定規模以上の会社では回りに権力を示すために良い手段だと思いますが、数人規模になると、あまり効力がないものかもしれません。

2) 失敗は命取り

大企業では影響がないミスであっても、ベンチャー企業では命取りとなることがあります。特に数字のミスは絶対に許されませんでした。
販売数量より仕入れの数量が多かったり、販売価格と仕入価格を混在して価格を算出してしまうと、会社の存亡に関わります。
また、売上計算を間違えると、脱税等の法的制裁が課せられる可能性もあります。
会社の規模が小さい程、一人一人に課せられる責任は重大です。

3) 会長、社長の意見は絶対的

会社の基礎がしっかりしていないため、会長や社長等会社で一定以上の権力者が言うことに絶対的な効力がありました。
ある日突然、新しいルールが出来上がることが当たり前でした。
突然席替えが行われたり、パソコンを取り上げられたり、マナー手当やメタボ手当がついたりと、、、、ある意味何でもありでした。
勿論いい側面もあり、時間関係なくスターバックスでお茶をしにいったり、ある日突然会社が休みになったり、権力者の一存で全てが自由に決められました。
そのため、ベンチャー企業では、彼らの思うように振り回されながら成果を出し続けるタフさが求められるます。

結果として、私は社長にはなれませんでしたが、これまで考えていなかった「起業」を身近に感じることができました。
もし良いビジネスチャンスがあれば、トライしてみるつもりです。

ベンチャー企業へ転職する場合、まだ会社になりきれていないことを充分理解する必要があります。
また、ベンチャーの回りにはベンチャーが集まり、支え合いながらみんなで成長していけば、将来の大企業になれるかもしれない夢があります。
この可能性を信じ続けられる力が、一番大切なのかもしれません。