転職理由「スキルアップ」を掘り下げる

2014年10月04日 12:52

転職理由でまず思い付くのが「スキルアップ」ではないでしょうか。
しかし、「スキルアップ」という言葉だけを転職理由とする事は、具体性に欠けてしまいます。

例えば、以前中途採用面接で求職者に転職理由を尋ねたところ、以下とのことでした。
「今の会社では設計ができない。スキルアップで設計したいから面接に来ました。」
私は大変抽象的な理由ではないかと感じます。
理由は、何のスキルをアップしたいかが見えないためです。

前職で設計できなかったという事は、設計のスキルは持っていないという事になります。
設計業務で前職の経験が活かせるかどうかにもよりますが、設計のスキルを新たに覚えたい、やりたい事がある、が転職理由であり、今あるスキルを向上するスキルアップは転職理由ではないのではないでしょうか。
何度も質問を繰り返して解ったのは、彼は、
「今の会社が子会社であり、設計は親会社の仕事であるため、設計部署がない。
特にハードウェアの設計スキルを身に付けたいために、ハードウェア設計部署があるこの会社へ転職したい。」
が正確な回答でした。
それでも、ハードウェア設計部署を持つ会社はたくさんあります。
その中で、なぜこの会社なのかの理由がなかったため、採用には至りませんでした。

スキルアップという言葉は幅広い意味を持つため、転職理由には最もらしく聞こえます。
しかし、具体的に何のスキルをどのようにアップしたいかが本当の転職理由ではないでしょうか。
もしスキルアップを転職理由にしようとされている方は、もう一度掘りさげて考えてみてはいかがでしょうか。