年収だけを転職の決め手としない
8回の転職で年収のアップダウンを経験してきましたが、まだ1回目や2回目の転職の際は、間違いなく年収とスキルアップは比例していると考えていました。
そのため、転職で年収がアップすることは必要条件でしたが、何回か転職を経験すると、転職の決め手は年収ではないと考えるようになりました。
理由は、必ずしも年収が高い仕事とやりたい仕事は比例しないためです。
しかし、転職の度にスキルアップをしているのであれば、年収は上がり続けて当然だと考えるのが普通だと思います。
ではなぜ年収が上がり続けると、やりたい仕事ではなくなるのでしょうか。
それは、一定の年齢になると管理職にならなくてはいけないためです。
管理職以上になると、「やりたい」「やりたくない」という自分の感情を抑えて仕事をすることが必要となる結果、やりたい仕事ではなくなってしまうのです。
ここで管理職について考えてみます。
まだ若手で担当者の場合は、管理職はたくさんの人を統括する憧れの存在だと思います。
いずれは管理職へなりたいと思う人も多いと思います。
しかし管理職は、様々な人達を統括することで、大きな成果を出さなくてはいけません。
例えば、中途半端な仕事しかできなかったり、人の指示に従わなかったり、場合によってはなかなか会社へ出社しないメンバを統括して成果としなければならないのです。
しかし、その部下が成果がでなくても、原因は管理職の教育ができていないからであり、指導の仕方が悪いとする考えが一般的でしょう。
感情を抑えながら部下へ尽くすことで部下を動かす能力が必要となります。
さらに上司からの指示も忠実にこなすことが、リーダや課長といった中間管理職の役割なのです。
中間管理職に必要な能力は、事実だけを捉え、事実に基づいた業務を遂行する能力が必要となります。
事実に基づくとは、例えば、どんなに自分がやりたい仕事が目の前にあっても、今やるべき仕事ではない場合は着手することはできません。
会社として損となる判断ができず、個人の「やりたい」「やりたくない」という感情を入れることはできないのです。
また、たいていの場合そのやりたい仕事ができるチャンスは訪れないのではないでしょうか。
しかし、スキルアップをする上で中間管理職は避けて通ることはできないのです。
担当者はやりたい実業務を行えますし、起業は自分がやりたいことは何でもできます。
その代償として年収が下がるのは仕方がないのではないでしょうか。
私が最も年収が高かったのは外資系企業のマネージャーのポジションだった時ですが、最も苦労した時期でした。
当時は周りも年収が高い人ばかりであったことから、収入の感覚が変わってしまい、さらに高い年収を求めるようになっていました。
また外資系企業の年収が高いのは、将来を保証しないことへの見返りの意味も含まれています。
一度高い年収を経験することはお薦めしますが、高い年収の企業を転職の到達点にするのはお薦めできません。
年収だけを転職の決め手とせず、あなたがやりたい仕事に着くことを転職の最終到達点とすることをお薦めします。