転職先が得意とする業界の市場動向を把握する
転職先を決めるには、ネームバリューややりたい仕事かどうかも必要ですが、将来性がある業界で強みを持つかどうかも重要だと考えています。
業界にも様々な分野がありますが、将来性を量るためには、市場規模の大きさを把握し、その規模が近年どのように変動しているかから、将来性を見極める方法をお薦めします。
例えば、自動車業界で考えてみます。
まず、自動車業界の規模を考えてみます。
日本の製造業の規模を量るには、設備投資額が1つの判断基準となります。
日本の設備投資額はおよそ1兆円で、自動車(輸送器機)業界はおよそ5分の1を占めています。
参考として、電気器機業界もおよそ5分の1であり、家電業界、AV業界、スマホ業界、パソコン業界等、身の回りの電気製品群はすべて電気器機業界の中に含まれます。
よって、自動車業界が日本の製造業を支える程の大きな規模であることがわかります。
次に自動車業界の市場動向です。
日本の自動車業界における市場規模は、およそ800~900万台/年であり、自動車台数は頭打ちと言われています。
しかし、この台数のうち、次世代自動車と言われるハイブリット車や電気自動車が占める割合が、2000年では数%だったのに対し、2013年には35%に達しています。
これは、自動車の新車販売台数から読んだ数字です。
つまり、次世代自動車に関連する器機を開発、製造する会社は将来性がある会社だと言えるのではないでしょうか。
具合的には、駆動用モータ、インバータ、障害物検知装置、蓄電バッテリ、車載用昇降圧装置等に使われる部品の製造メーカは将来性があると考えられます。
将来性の判断には、思い込みが入ってしまいやすいですが、よく聞くキーワードだからといって将来性が高いわけではありません。
例えば、太陽光発電は再生可能エネルギーとしてよく聞くキーワードであることから、将来性が高いと判断してしまいやすいのではないでしょうか。
しかし、すでに技術が確立しており、大手中国メーカも巻き込んだ価格競争が激しい業界です。
そのため、太陽光発電業界の市場規模は縮小し始めています。
市場規模の判断は、思い込みを無くし、中立な目で判断することをお薦めします。